三島大神奉納絵馬「源為朝図」の市指定重要文化財の指定について

三島大神総代発行回覧資料(抜粋)
三島大神拝殿に奉納絵馬「源為朝図(みなもとためともず)」(縦119.4㎝×横178.4cm)があります。これは天保7年(1836)に萩園の菊池小兵衛さん、野崎常吉さん・同多都さんが奉納されたものです。描いたのは東川斎桂山(とうせんさいけいざん)で、最近になって著名な絵師ということが判明しました。桂山の作品は、すでに平塚市で5件、海老名市で1件、相模原市で1件、計7件が各市の重要文化財に指定されており、専門家(大学教授)の調査により、奉納絵馬「源為朝図」も大変貴重な作品であることが分かりました。
つきましては、一昨年11月18日に市教育委員会へ市の重要文化財指定のための申請を行いましたところ、昨年12月11日に市文化財保護審議会が開催され、その答申を受け、2月18日の市教育委員会定例会で奉納絵馬「源為朝図」が市指定重要文化財に指定されることが決定いたしました。
これからも郷土の先人が残してくれました貴重な文化財を後世に伝えていくために保護して参る所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
なお、この奉納絵馬「源為朝図」の市指定重要文化財の指定を記念し、新型コロナ感染症が収束しましたら、特別公開を予定しておりますので、また改めてご案内いたします。通常の公開は例祭・初詣の際に行っております。

三島大神奉納絵馬「源為朝図」の市指定重要文化財の指定について(回覧資料)

源為朝図
三島大神奉納絵馬『源為朝図』《東川斎桂山筆》概要
『保元物語』によると、保元の乱で敗れた為朝は伊豆大島に流されたが、流刑先でも活躍し、伊豆諸島を事実上支配した。ある日、為朝は八丈島から鬼の子孫が住む鬼島に渡り、そこも支配下においたという。この図は鬼島の様子を描いたものと思われる。波打ち際を背景に、為朝と為朝の大弓を二人ががりで引こうとする赤鬼が描かれている。
また、源為朝が疱瘡などの疫病除けのモチーフとされる例があることから、図柄を広義の魔除けと捉えることができるほか、奉納された天保年間の飢饉や水害をはじめとする不安定な世相に対する意識を反映したものと考えられる。
東川斎桂山は、杉久保長安寺(現・海老名市杉久保)の出身で、金指桂山、藤原美信とも名乗っている。江戸で狩野派の絵を学び、町絵師となり、相模国各地で活躍をした。
弘化3年(1846)5月23日に没し、田名(現・相模原市中央区水郷田名)の宗祐寺に葬られている。

茅ヶ崎市重要文化財掲載ページ

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